山菜
健康とのかかわりを科学する
TOP サイトマップ

まちがえやすい毒草
表1 植物性自然毒食中毒発生状況(平成11〜15年) 毒キノコ、毒草、有毒果実など、植物やキノコの有毒成分による中毒を植物性自然毒食中毒といいます。表1に平成11〜15年の植物性自然毒食中毒の事件数、患者数、死者数を示しました。表2に平成14年、15年、16年前半の植物性自然毒食中毒発生事例のうち、植物によるもののみを示しました。これらの事例の大部分は山菜の誤食によるものです。植物による中毒は平成14、15年ともに事件数の30%前後(それぞれ81件中22件と50件中17件)、患者数の25%弱(それぞれ300人中72人と213人中48人)であり、他は毒キノコによる中毒です。

 平成14〜16年前半で44事件が発生しています。そのうち原因食品で多いベスト3(推定も含む)はトリカブト、バイケイソウ(オオバイケイソウ、コバイケイソウを含む)、チョウセンアサガオです。その他にスイセン、スズランなどによる中毒があります。事件の発生は4?5月が半数以上を占めています。これは山菜の採取時期と一致するからです。

表2 ■植物性自然毒食中毒発生事例(平成14年〜16年) (PDF)
ヤマトリカブト(上)とニリンソウと一緒に生えているヤマトリカブト(下)
ヤマトリカブト(上)と
ニリンソウと一緒に生えているヤマトリカブト(下)
ト リ カ ブ ト 類
概要 キンポウゲ科の多年草で、山野に自生、観賞用に栽培もされています。花の形が舞楽の時に使う鳥兜(とりかぶと)に似ていることから名付けられました。
誤認植物 ニリンソウ、モミジガサ
有毒成分 アコニチン、メサアコニチンなどが全草に、特に根茎に多く含まれています。
中毒症状 手足のしびれ、けいれん、呼吸麻ひ(呼吸麻ひで死に至ることもある)
その他 トリカブト類はわが国に30 種以上あり、エゾトリカブト、ヤマトリカブトなどの毒性が強いといわれています。

バイケイソウ(左)とオオバギボウシ(右)
バイケイソウ(左)とオオバギボウシ(右)
バ イ ケ イ ソ ウ 類
概要 ユリ科の多年草、バイケイソウの名はバイは梅の花に似ており、ケイはケイランという蘭の葉に似ていることからによります。
誤認植物 オオバギボウシ、コバノギボウシ
有毒成分 ジェルビン、ベラトラミンなどが全草に含まれています。
中毒症状 嘔吐、手足のしびれ、けいれんなど
その他 根は殺虫剤に使用されていた。バイケイソウによる中毒のほかに、コバケイソウ、オオバイケイソウによる中毒があります。
ページトップへ戻る