山菜は山里の生活には欠かせない食べ物として山村や農村では様々な種類の山菜が食されていました。『アカザ・アケビ・アザミ・アマドコロ・イタドリ・ウコギ・オオバコ・カキドウシ・カタクリ・カタバミ・カラスウリ・ギシギシ・ギボウシ・クサソテツ(こごみ)・クサヤツデ(しどけ)・クズ・ジュンサイ・ショウブ・スイバ・スギナ・スベリヒユ・タデ・タビラコ・タンポポ・ナズナ・ナルコユリ・ニガナ・ノエンドウ・マタタビ・ミズゼリ・ムベ・ヤエムグラ・ヤマノイモ・ヤマブドウ・ワラビ』等々地域によって多数の種類あります。これらの山菜は茎や葉などの全草や、若芽や若葉の部分を湯がいたりあく抜きをしたりしてお浸しや煮物、和え物料理に用いる他、根や果実、花などが利用されます。
また、糧飯(かてめし:飢饉や非常時の食料)としても貴重で、保存方法も乾燥や塩蔵など工夫されており、保存した山菜は非常時のみならず、正月や慶事、仏事などの行事の時に用いられました。
山菜は食糧としての価値のみならず、経済資源としての価値も高く山村振興に大きな役割を果たしています。(主な山菜の生産量はこちら)。近年は乱獲や造林の拡大などで天然物が減少しているゼンマイは、畑や水田跡地を利用しての栽培が行われ始めており、その収益が地域振興に役立っている地域があります。その他、独特のぬめりけが特徴的で、今では高級食材として扱われるジュンサイの栽培は、全国生産の80%を秋田県が占めており、農家の副業として大きな収益をあげています。また、タケノコやワサビなどは、清流や景観など周囲の環境と共に楽しむ、タケノコ狩り、ワサビ狩りなどの他、直売所としての「道の駅」では山菜などが地域独特の産物として販売され、観光資源としての活用も見直されています。
自然から離れた生活が一般的になった現代の都会の人々にとっては、山里の宿で提供される四季折々の山菜料理は、自然に帰る安らぎの素朴な料理として受け入れられ、観光の大きなセールスポイントになっています。
このように山菜は古くは食糧として重要な役割を担い、現代においてはふるさとの味覚として経済市場からも価値が見出されています |