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オランダガラシ(クレソン)のはたらき
特徴
 クレソンともいい、アブラナ科の多年草で人里に近い湿地、川べりに群生します。ヨーロッパ原産で、明治の初めに渡来し、野生化しています。50cm弱に伸びる中空の茎に、卵形の光沢のある9枚以下数の小葉を着け、羽状に分裂した30cm ほどの葉を互生します。花は春、茎の先に4花弁の白小花を多数着けます。
効用
1. 抗アレルギー作用
 ヒスタミン放出阻害物質を抗原刺激RBL-2H3 細胞モニタリングシステムを用いて単離しています。フラボノールとメガスチグマンが著しくヒスタミン放出を阻害しました。二種の新化合物3-O-ソホロシドとラムナジンも見出されています。
オランダガラシ(クレソン)
2. 抗腫瘍作用
 クレソンのイソチアシネートの代謝物を摂取すると、ヒト前立腺がん異種移植片の増殖をアポトーシスと細胞周期停止によって阻害します。フェニルイソチオアシネート(PEITC)とN-アセチルシステイン(NAC:抗酸化剤)の結合したものPEITC- NAC はヒト前立腺がん細胞の増殖や発がんを阻害します。PEITC はクレソンに豊富です。
 疫学的には野菜の消費がヒトの肺がんの防御に有効であることが示されています。クレソンを噛むと生じるPEITCはマウスの実験で、タバコに特有な発がん物質4-メチルニトロソアミン-1-3-ピリジル-1-ブタノン(NNK)による肺がんの化学予防剤となります。喫煙者にクレソンを摂取させた研究においてもNNKの酸化的代謝を阻害し、肺がん予防剤となることが示唆されています。
 ニュージーランドのマオリ族はマオリでないヒトに比べ結腸直腸がんの割合が低い(人口10万人当たり、それぞれ22.2と43.7)と報告されています。マオリでないヒトに比べ、マオリ族のヒトは食事・赤身肉・アルコール・飽和脂肪酸の摂取量が多く、肥満のヒトが多く、果実や野菜の消費量は少ないと報告されています。これらのことは結腸直腸がんのリスクを増大させるものと思われます。しかし、ノゲシやクレソンの摂取がマオリ族のヒトのガン防御に役立っている食品だと結論しています。
料理例
クレソンと蒸し鶏のごま醤油和え
クレソン…さわやかな香りとカラシのような辛味をもつ
クレソンと蒸し鶏のごま醤油和え
 
● 材料(4人分)
クレソン…200g 
(鶏もも肉…150g  酒…大さじ1
 生姜(うす切り)…2枚  長ネギ(芯)…5cm分×2)
 長ネギ(外側)…5cm分×2 
(練りゴマ…20g  しょうゆ…大さじ1
 酢…大さじ1/2  砂糖…小さじ1)
● 作り方
1 クレソンは塩湯で茹でて水にとり、冷めたら水気を絞って4〜5cm 長さに切る。
2 長ネギは縦半分に切り、外側に白い部分をはがしてせん切りにし、白髪ネギにする。
3 耐熱皿に鶏肉、酒、生姜、ネギ(芯)をのせてラップをし、電子レンジ600wで3〜4分加熱する。そのまま冷まして食べやすい大きさに切る。
4 ( )内の調味料を合わせてごま醤油を作る。器にクレソン・蒸し鶏を盛り付け、ごま醤油をかけて白髪ネギをのせる。
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