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きのこ類の一般成分は野菜類に似ていますが、食物繊維、ビタミンB類、ビタミンD2、ミネラルなどの栄養素を豊富に含んだ低カロリー食品といえます。日本食品成分表によると、乾シイタケの食物繊維の含有率は40%強で、乾燥重量当たりに換算しても大根やネギよりもはるかに多いです。したがって、きのこ類を食べることで便通が良くなることが確認され、成人病の予防効果もあると考えられます。また、きのこにはミネラルのカリウムが多いため、塩分の過剰摂取を抑制することが期待できます。この他、たんぱく質や脂質が比較的多いのもきのこの特徴といえます。
シイタケはビタミンD2の宝庫として知られていますが、食用きのこ類の多くはビタミンD2の元になる物質エルゴステロールを含みます。日光をあてるとエルゴステロールはビタミンD2に変わります。たとえば、乾シイタケのD2含量は通常100g当たり20μg(マイクログラム)以下ですが、日光に2時間程度あてるだけで数十倍に跳ね上がります。一度増えたビタミンD2はなかなか分解せず、乾シイタケを冷蔵庫内で保存すれば半年たっても含量はほぼ同じです。 |
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 |
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きのこの味を左右するのは、旨味や香り成分の種類と量、及び肉質(歯触り)です。シイタケなど多くのきのこ類はグアニル酸を含み、グアニル酸は昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸と並ぶ三大旨味成分の一つです。
グアニル酸はグルタミン酸と混ざると数十倍に旨味が強くなることが知られており、シイタケと昆布でダシを取ると非常においしい理由はここにあります。
グアニル酸の量は、グアニル酸の元であるリボ核酸、リボ核酸を分解してグアニル酸を生成する酵素、及びグアニル酸を分解する酵素とのバランスによって決まります。グアニル酸生成に関与する酵素は比較的熱に安定で60〜70℃で活性が高く、一方、グアニル酸を分解する酵素は60℃では大部分が壊れます。したがって、グアニル酸の量を増やすためには調理時に60〜70℃の温度を与えてやることが大切です。また、乾シイタケの水戻しでは、旨味成分の元であるリボ核酸を減少させないように冷蔵庫のなかで必要最小限行うのが基本です。この他、遊離アミノ酸も水戻し時にたんぱく質が分解されて増加しますが、比較的温度が高い条件で長時間水戻しをすると苦みのある疎水性アミノ酸の割合が増える傾向があり、注意する必要があります。加熱調理時はアミノ酸の量はほとんど変化しません。 |
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香りが強いきのこの王様はマツタケで、香り成分は1-オクテン-3-オールや桂皮酸メチルです。乾シイタケも香りが強く、その成分はレンチオニンです。レンチオニンは生シイタケを乾燥するときの加温や乾シイタケの水戻し時に、2種類の酵素が関与して生成されます。なお、調理時には20分程度の煮沸によってレンチオニンの大部分は消失しますので、香りを残すためには煮沸時間を短くします。
シイタケの食感に関する調査では、傘肉が厚いものの方が薄いものよりもおいしく感じる人が多いようです。 |
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