温帯地域の草原地帯に発生する腐生性のきのこですが、日本には自生しません。和名はツクリタケといいます。傘の白い、丸い姿はきのこの典型的なイメージとして定着しており、フランスやアメリカなど欧米を中心に古くから人工栽培されています。世界的な生産量は食用栽培きのこの中で最大ですが、栽培方法はシイタケなど木材腐朽性のきのこと異なり、麦わらや稲わらを堆肥にした培地で行われます。 |
1.抗酸化作用 |
子実体から分離されたにチロシナーゼ様のたんぱく質はヒトのリンパ腫細胞系を用いた実験において、過酸化水素による細胞DNAの損傷を防ぐ作用を示すなど、過酸化物による細胞膜や遺伝子の損傷を防ぐ作用が確認されています。 |
2.コレステロール除去作用 |
子実体から抽出した食物繊維を5%含む飼料をラットに与えたところ、4週間後、血清コレステロールの低下とその受容体であるmRNAの増大が認められており、子実体の摂取によるコレステロール除去作用が期待されます。 |
3.抗腫瘍作用 |
子実体の低分子成分アガリドキシンは成長抑制剤N-(γ-L-グルタミル)-4-ヒドロキシアニリンの別名で、マウスのがん細胞を用いた実験においてDNAポリメラーゼの作用を阻害し、メラノーマを抑制する作用が認められています。また、食物繊維のような高分子成分の作用については、胆がんマウスにマッシュルーム子実体の粉末を食べさせた実験により、免疫機能が維持され、腫瘍の成長が抑制されています。これらの結果より、子実体の摂取により抗腫瘍活性が増強されると考えられています。 |