ヒラタケのはたらき
ヒラタケ
特徴
  秋に広葉樹の枯れ木に群生する木材腐朽性のきのこです。シイタケやナメコと同様に古くから原木栽培が行われてきましたが、最近は大部分がのこくずを用いるびん栽培で生産されています。ブナシメジやマイタケの生産拡大により、ヒラタケの生産量は少なくなる傾向にあります。
効用
1.コレステロールと血圧の降下作用
  ラットにヒラタケを食べさせることにより、血漿中および肝臓のコレステロール値が下がることが確認されています。有効性はアルコール抽出物にも、抽出残渣にもみられます。同様の効果がウサギでも認められています。また、コレステロールを含んだラットの餌にきのこを加えることで、コレステロールの吸収率が下がることも報告されています。
2.血小板凝集抑制作用
  食品の血液サラサラ効果(血小板凝集を抑制する作用)に関心が持たれています。ヒラタケの血液をサラサラさせる作用はきのこ類のなかでもシイタケと並んで最も強いとされ、経口で摂取しても有効であると報告されています。
3.抗酸化作用
  きのこ類にもビタミンC高含有のレモン汁と同等あるいはそれ以上の強い活性酸素消去作用があることが報告されています。ヒラタケをラットに経口で与えることで、肝臓の活性酸素消去酵素のはたらきが強まること、脂質の過酸化が抑制されることも報告され、β-1,3-グルカンのプロイランが有効成分の一つとされています。
4.抗腫瘍作用
  ヒラタケから単離されたレクチンに抗腫瘍性が認められ、マウスでは肝がんや肉腫に対して強い抑制作用がみられます。β-グルカンのプロイランもラットの結腸がんを抑制する可能性があります。さらに、ヒラタケの子実体に認められるたんぱく質オステロリシンにも抗腫瘍性があります。
5.その他
  ヒラタケの子実体から抽出された糖たんぱくの1種には、HIVの増殖を阻害する作用が認められています。また、ヒラタケのレクチンのなかには、ラットの食欲を阻害するものがあり、やせ薬としての利用が期待されます。
ひらたけレクチンのマウス移植がん抑制作用
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