ブナシメジのはたらき
ブナシメジ
特徴
 北半球の温帯以北に広く分布しているきのこです。広葉樹、とくにブナの倒木によく発生し、淡い褐色を帯びたクリーム色で、傘に色の濃い斑紋が見られます。淡白でくせがなく、どんな料理にも合う万能型きのことして人気が高く、消費量はシイタケ、エノキタケに次いで多いです。人工栽培が始まったころは、味がホンシメジに似て大変おいしいことから、商品名「ほんしめじ」で市販されていましたが、分類学的にホンシメジとは全く異なる種類であるため、現在ではブナシメジの名で流通しています。
効用
1.抗酸化作用
  ブナシメジ子実体の熱水抽出物を粉末にしたものを5-10%含む飼料でマウスを飼育した結果、マウスの血漿中の抗酸化活性が増大しています。また、ブナシメジを直接摂取したマウスで血漿中の過酸化脂質量(LDL)の低下傾向が認められ、ブナシメジを食べることで私たちの体の中の抗酸化作用が誘導される可能性が考えられています。
2.抗アレルギー作用
  子実体のエタノール抽出物をマウスに1日、体重1kg当たり250mg経口投与し、3日後に免疫応答性を調べた結果、対照区に対して、有意な抗アレルギー効果が示されています。また、マウスに対する皮膚を通したエタノール抽出物の投与でも抗アレルギー効果が示されています。これらの結果より子実体のエタノール抽出物には過敏な免疫応答を抑え、結果的にアレルギー反応によって起きる炎症を抑えることが期待されています。
3.抗菌・抗ウイルス作用
  子実体より分離されたリボゾームを酵素的に不活性化するタンパク質Hypsinはフザリウムやボトリチスなどのかびの菌糸生育を阻害し、HIVウイルスの逆転写酵素活性を阻害しています。また、ウサギの網状赤血球溶解系における翻訳、マウスの白血病細胞、ヒトの白血病細胞と肝腫瘍細胞に対する抗増殖活性も認められ、Hypsinはかびやウイルスの生育を抑えるとともに、がん細胞の増殖も阻害すると考えられています。
4.抗腫瘍作用
  子実体の熱水抽出物の投与により、マウスに移植されたがん細胞サルコーマ180やLewis肺がんに対する強い抑制作用がみられます。また、子実体の粉末などを経口投与されたマウスにおいても同様に抗腫瘍活性が認められています。
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