山菜
健康とのかかわりを科学する
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山菜の利用
採集後の処理
 山菜としての命は、旬の、しかも鮮度です。食べ頃のものを選んで採取し、適切な方法で下処理をしておきます。採取後は、なるべく早く(採取中の休憩がてら)泥やゴミを落として不要な部分を取り除き、きれいにしておきましょう。湿らせた新聞紙に包んでおくと保存できます。
あく抜き
 山菜には、多かれ少なかれあくがあるといえるでしょう。あくは山菜特有の風味でもありますが、強すぎると苦かったり渋かったりで、味を損ないます。
フキのあく抜き ワラビのあく抜き
フキのあく抜き   ワラビのあく抜き
あくの軽いもの
湯通しするか、0.5〜1%の塩分の湯で茹でて、冷水にさらしてから水気を切る。(アケビの芽、アサツキ、アシタバ、イタドリ、ウコギ、ギョウジャニンニク、クレソン、クサソテツ、コシアブラ、サンショウ、シオデ、ジュンサイ、セリ、たらのめ、ノビル、ふきのとう、みず、ミツバ、モミジガサ、ワサビの葉など)
材料の2%の塩を振りかけて板ずりしてから、茹でて冷水にさらす。(フキなど)
あくの強いもの
木草灰または0.3%の重曹を入れた湯で茹でて、そのまま冷ましてからきれいに水洗いする。(重曹の量が多いと柔らかくなりすぎるので注意!!)または、木草灰を振りかけてから、熱湯を十分に注いで一晩おき、水を入れ替えてから茹でて冷水にさらす。(ゼンマイ、ワラビなど)
 茹でて水にさらすことは、あくを除く良い方法ですが、同時にビタミンCや他の水溶性の機能性成分、旨味成分も失われますので、加熱とその後の処理は必要最小限にしたいものです。
保存方法
 新鮮なうちが美味しいのは野菜と同じです。中でも、しおれやすい若芽や葉はなるべく早く食べるのがよいでしょう。しかし、季節に大量に採る物や、一度にたくさん食べない物、葉や茎で固いものは適当な処理方法で保存をして利用します。
冷蔵 あくが強くなく、そのまま使えるものは一度水に浸けて水揚げしてしっかりさせ、水気を拭いて小分けして保存袋へ入れて冷蔵します。
冷凍 数ヶ月保存する場合は、固めに茹でて流水にさらして、小分けして保存袋へ入れるかラップフィルムなどで密閉して冷凍庫へ入れて冷凍します。
水煮ビン詰め ゆでて、あく抜きしたものをビン詰めにして、ゆるく蓋をして湯煎や圧力鍋などで加熱殺菌後、すぐに蓋を閉める。そのまま冷ますと減圧状態で長期保存可能になります。
塩漬け 樽やかめまたはシール容器を使用して、山菜を並べながら塩をたっぷりと振り、その上にまた並べて塩を振り、を繰り返して塩と塩の間に山菜を挟み込んでいきます。重石をのせて冷暗所で保存しておきます。
 食べる時は、水に浸けて塩抜きするか、たっぷりの水に入れて沸騰直前に火を止めそのまま冷まして塩出しします。
 しっかりした葉茎の山菜、ウド、イタドリ、モミジガサ、クサソテツ、フキ、ワラビ、アザミ、ヤブレガサなどに適しています。
味噌漬け まず山菜を一晩または数日間塩漬けにしてから漬け込みます。使う味噌はそのまま、または好みの量のみりん等を加えてすり鉢でよく練り合わせておきます。容器の味噌床へ山菜を並べて上からも味噌をかぶせて重石をしておきます。山菜を布巾かガーゼに包んでおくと取り出しやすく便利です。ウド、ワラビなど。
粕漬け 山菜を塩漬けにしてから漬け込みます。好みにより酒粕に半量くらいのみりんを加えてよく練り合わせ、味噌漬け同様に漬け込み、重石をしておきます。水気が出てきたら、重石を軽くしていきます。ウド、ワラビなど。
乾燥法 ゼンマイなどで用いられる、乾燥保存法があります。ゼンマイの場合、灰を入れた湯でよく煮て、ゆであがったらムシロ上に広げて、干しては返しながらもむ作業を完全に乾燥するまで数日間続けます。
 食べる時は、たっぷりの水に一晩おき、水洗いした後15〜20分茹でて使います。
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